「人聞き悪いなぁ。…あ、もしかして、こころちゃんも欲しかったの?」


「いらないし! もう、花音も危ない人の手作り易々と食べちゃダメだよ」


「危ない人って。しかもそれ、母さんが作ったやつなんだけど」





ふたりの会話はいつも漫才みたいで面白い。
思わずクスクス笑っていると、二人分の視線がこちらに向いていることに気づいた。





「…はぁ、ほんと、花音は笑うとダントツ可愛いんだから」


「ほんとだね。俺、花音ちゃんがそこまで笑ってるのはじめて見たかも」





そ、そういわれるとなんだか恥ずかしいんだけど…。
照れて何も言えないでいると、こころちゃんがスッとわたしのメガネを外した。