「あ、中身梅干しなんだけど食べれる?」
「うん、大丈夫だけど…。本当にもらっちゃっていいの?」
不安になって聞くと、絃くんは笑いながら。
「いいよ。花音ちゃん、元気なさそうだったから、これ食べて元気だして」
絃くんって…。
何も考えてなさそうに見えて、実はよく周りが見えるタイプだ。
それなら、その厚意を無駄にするわけにはいかないしありがたくいただこうかな。
恐る恐るおにぎりを受け取ると、今度は隣からこころちゃんの声が飛んできた。
「ちょっとー、絃くん。うちの花音を餌付けするのやめてよね!」
え、餌付け…?
わたし、おにぎりを出汁にして手名付けられてるの、今?