「とにかく!! みっくんがいないとつまんないのっ」


「ムリ。だから代わりに絃行かせただろ」


「絃くんじゃダメなの! みっくんがいいのーっ」





困ってる…というか、イライラしてる、尊くん。
こんな姿、珍しい。



いつの間にか立ち上がってしまっていたわたしを、”風音”と呼ばれたその子はチラっと見る。





「…ていうか、みっくん。本でも借りに来たの?」


「お前に関係ない」


「だってみっくん本なんか読まないじゃん。図書室にいるの不可解」





…あ、そうか。
確かに、尊くんが本読んでるところなんて見たことない。




今日はたまたま図書室で告白されているのをわたしが目撃してしまったから、その流れでつい長話していただけなのに。