図書室の放課後は、特にヒマ。
昼休みのほうが本を借りに来る生徒って多い気がする。
放課後なんて、みんな部活へ行ったり、遊びに行ったり、図書室に来た人もみんな勉強が目的であって本を借りに来るわけじゃない。
だから、こうして尊くんとの会話に集中することができる。
正直、楽しい。
わたしが誰かと話すことをポジティブな感情でとらえることができるなんて、それこそ奇跡に近い。
…うん、やっぱり、尊くんはすごい人だ。
そうして何分カウンター越しに会話をしていたかわからない。
途中で、生徒が返却しにきた本を元あった位置に返すのを手伝ってくれた。