…やっぱり。
女の子が敬語を使っていたのを聞いて、なんとなく後輩なのかなって思ったけど。




同じ中学の後輩さんかぁ。
…そういえば、尊くんの中学時代ってどんな感じだったんだろう。




今と変わらず、太陽みたいな感じだったのかな。





「…尊くんは、好きな人とかいないの?」





何気なく聞いたその質問。
尊くんは、なぜか目を見開いて、わたしの目を捉えた。





「……どうだと思う?」


「え…」






まさかのそこで質問返し?
どうって…。
わたしは尊くんのことをよく知らないからあんまりわからないけど。





「いる…の?」





外したらどうしよう、となぜか必要以上に重大にとらえて恐る恐る見上げると。



尊くんは、いつものにっと口角を持ち上げる笑みを浮かべたあと、わたしのメガネを外して。





「ナイショ」




…って。
呆気に取られていたら、カウンターにメガネを置いて頬杖をつきながらわたしを見下ろす尊くんの姿が目に映った。




…も、もう。
なんでこの人、すぐわたしのメガネ外すの…。