なんてこと。
よりによって尊くんの告白現場だなんて…。
「わたしじゃ……何をしてもダメってことですか」
「ん、そうだね」
あまりにあっさりと女の子を振る尊くんを見て、なんだかゾクッとした。
すごい勇気だなぁ。
面と向かって告白だなんて。
それに、こんな風にあっけなく振られちゃう可能性だって全然あるのに。
…わたしだったら、怖すぎて告白なんてできないよ。
なんて、一度も恋愛したことないしがない女の一意見ですけど。
考え事をしてぼーっとしていたら、突然バタバタという足音と共にわたしの横を風が通った。
……いや、違う。
さっきの女の子が、走って図書室を出ていったんだ。
廊下を走る彼女の背中を見つめて、さらにぼけーっとしていたら。