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四月。通常授業がはじまってから三週間が経った。
新学期には慣れたけど、相変わらずあの日以上の進展はなく…。
強いて言うなら、絃くんや尊くんがわたしに頻繁に話しかけてくるようになったことくらい。
目が合えば声をかけてくる、そんな異常事態にわたしがついていけてない。
おかげで、クラスメイトの女子からはちょっとだけ目をつけられてる状況。
やめて…。
わたしは誰にも気づかれずひっそり暮らしたいの…!
「花音、今日委員会の日だっけ」
終礼のあと、帰る支度をしながら話しかけてくるこころちゃんに「そうだよ」と返事をしてスクールバックを肩にかける。
「大変だねぇ」
「でも楽しいよ?」
「あは……それは花音が変わってるだけ! じゃあ、がんばってね」
「うん。またね」
こころちゃんに挨拶をして教室を出た。
変わってる…なんて、もう言われなれてる。
今更どうとも思わない。