「イルミネーション、綺麗だね」
「……うん」
わたしの言葉に、一拍置いて尊くんが答える。
青とか、白とか、街路樹が綺麗に彩られて、軽く魅了されてしまう。
「せっかくなら、雪も降ってくれればよかったのになぁ」
わたしのぼやきに、尊くんは「えー、寒くなるじゃん」と小さく呟く。
そうだけどさ…。
決戦の日は、ホワイトクリスマスがよかったから。
「昔、お兄ちゃんと雪だるま作り対決したんだよ」
「そうなんだ、写真とか残ってないの?」
「えぇー、小学生のときだからなぁ」
不意に尊くんの顔を見あげて、後悔した。
ひどく優しくとろけた顔をしている彼に、また好きが積もるだけだから。