…どう頑張ったって、逃げらんない…よなあ。
「…その、ブロックうんぬんに関しては、尊くんの独断かと……」
正直に思ったことを答えただけなのに、わたしが口答えしたのが気にくわなかったのか、千代森さんの瞳孔がギラリと光る。
「はあ？ そういうのいいから。みっくんと風音は幼馴染なの。アンタに付け入る隙はないの！」
「…ですよね」
ほら、結局言い返せない。
『ですよね』なんて簡単に相手に賛同しちゃって、わたしってなんて意思の弱い女。
…つまり、千代森さんが言いたいのって。
『アンタさえいなければ、今もみっくんの隣にいるのは風音だったのに！』…ってことだよね。
そんなことをわたしに言われても、って感じではあるんだけど。
…だからって尊くんに金輪際近寄るなって言うのは、受け入れられないし。
