まだ余裕そうに弧を描く唇と、きゅっと細められた目元。
千代森さんが尊くんのこと大好きなのは知っていたけど、ここまで千代森さんを怖い…と思うのははじめてだった。





「この前、みっくんにSNSブロックされたんだけど」


「っ…え」


「それってさあ、小波さんが手まわしたんじゃないの?」




…手回しなんかしてない。
確かにこの前の雨の日、『連絡先消さないの?』とか生意気なこと言っちゃったけど。




だけど、まさか本当に消しちゃうとは思わなかった。
尊くんのこと恨むわけじゃないし、これはきっとわたしが悪い。



…分かってるんだけど、なんで本当にブロックまでしちゃうかなあ。
現に、千代森さんの怒りの矛先はわたしに向いているわけで。