息を整えて課題の2ページ目に取り掛かったところ。
ブ、ブ、と尊くんのスマホが震えた。
…電話?
だけど、尊くんは一瞬液晶をみてから、スマホを机の上に放置する。
「出なくていいの?」
「いい。今は課題に集中する」
さっきまでペン回しに夢中だったのに…。
よく言うよ、ほんと。
そんな様子にくす、と笑ってわたしも気にしないようにした矢先。
電話が切れたあと、ひっきりなしに通知でバイブが震える。
見るつもりなかったんだけど、どうしても気になるよ…。
ちら、と一瞬だけ尊くんのスマホの画面を見ると。
【 風音 : なんでまだ帰ってないの? 】