ダメダメ。
気を取り直して。
「尊くん、雨止むまで今日の課題やってようよ」
「そうだね」
って、ふたりして席に座った。
雨の音が響く教室。
一気にじめじめしだして嫌な空気。
尊くんとふたりきりなのに。
雨のせいで、気分がちょっと憂鬱。
「英語の課題って意味あるかな、これ」
ペン回しで忙しそうに手を動かしている尊くんが、退屈だったのかそんなことを言い出した。
うーん…。
確かに、この英単語をひたすら書き並べるだけの課題は、腕の運動って感じが強いよね。
「まだ二行しか書いてないじゃん」
「こういうの苦手かも」
「でもどうせ明日には提出しなきゃだよ? 今やっといたほうが楽でしょ」
「……んー、なんも言い返せね」
そういって笑いながら、三行目を書き始めた尊くん。