「あのね、花音…。二日目の自由行動なんだけど……」
かわいらしく眉を下げながら話を振ってくるこころちゃんに、わたしはもう一度笑いかけた。
「うん。絃くんとデートしたいんでしょ? 行っておいでよ」
「やったぁ! ありがとう、花音だいすきっ」
「わたしも大好きだよ、こころちゃん」
そんな会話をしていたら、いつの間にかバスは京都駅に到着していた。
バスから降りるのと同時に、もう班行動になって並ぶらしい。
そうなれば、自然に尊くんと距離が近くなるわけで…。
わたしの前に並ぶ尊くんの後ろ姿。
なんだか、見てるだけで胸がいっぱいになった。