「尊くんはやっぱり優しいなぁ」




何気なくつぶやいた言葉。
わたしも、尊くんも、目は合わせないまま。




「…だから、やさしさなんかじゃないって」


「ん? なんていった? …ごめん、聞いてなかった」


「なんでもねーよ」





…なんで拗ねてるんだろう?
うーん、全然わかんないな。


いつかわかる日、来るといいな。






「…楽しそうだね、ふたりとも」


「うん。いちばん浮かれてたからな」





こころちゃんも絃くんも、笑顔がまぶしいよ。


だいたいわたし泳げないし…。
浮き輪がないと水の中入れないけど、流石に高校生にもなって浮き輪は恥ずかしいしなぁ…。