「シイナ、どうしたんだよ」

「こっちが聞きたいよ!どうしたの!?何やってるか分かってるの!?」

「盗聴してたこと?」

「それは…当たり前でしょ…。それにそんな人と付き合いがあったなんて知らなかった!」

「心配しないで。男だよ」

「そういうことじゃなくて!その人がやってることは犯罪だし、それに手を出した朔だって…」

「アプリはまだ試作の段階だし、世の中に出回ってるわけじゃないよ。だからシイナが気にすることじゃない」

「ちゃんと私の話を聞いてよ!朔がそういう人を正当化してることも、自分がヤッたことを認めないことも…」

「幻滅した?」

「幻滅っていうか…怖いよ…」

朔が悲しそうな目で私を見た。
なんで自分が責められているのか本当に理解できないって様子で、理解できない朔のほうが、私は悲しかった。