「やっぱりミヤのこと好きじゃないんだ!猫のミヤのが可愛かったんでしょ!だからいつもより素っ気ないんだ!」
自分でも可愛くないことを言っているのは自覚していたけど、言いたいことは止まらなかった。
人間になれば、もっと仲良くなれると思っていたのに。
気づけば人間になってから、奏斗くんに頭すら撫でてもらっていない。
「そんなことはない!」
奏斗くんにしては強い口調だった。
私が黙って外に出たときに怒られたときの口調と似ていた。
私は思わず「えーん」と声を出して泣いてしまった。
慌てる奏斗くん。
「分かった、分かった。いつもみたいに一緒に寝よう」
「本当?いつもみたいにぎゅってして、頭撫でてくれる?」
「うん、そうしよう」
奏斗くんの柔らかい声に包まれて、涙が止まる。
「よいしょっ」と言いベットに入ってきた奏斗くんの身体は少しひんやりしていた。
多分、お布団を敷いていたからだろう。
「奏斗くん、身体が冷たくなってるよ」
そう言い、私の身体をぴとっとくっつける。
「ミヤが冷たくなっちゃうよ」
奏斗くんは私から離れようとしたけど、私は
「いいのっ」
と言って、もう一度、奏斗くんにくっついた。
奏斗くんは、少し照れくさそうに笑った。