「奏斗…なんか変だぞ?」
さすがに、叔父さんに変だと思われちゃう。
いや、変なのは叔父さんなんだけど。
「今、奏斗くんと変な人ごっこしてるの」
叔父さんを心配させないために、咄嗟に嘘をついた。
奏斗くんは、ふと我に返った様子だ。
「うん、そうそう」
奏斗くんは大きく首を縦に振った。
「変な遊びばっかしてんな」
叔父さんは呆れた顔をして、立ち上がる。
「奏斗の家泊まるなら、ちゃんと俺に連絡しろよ」
そう言って叔父さんは部屋を出て行った。
叔父さんがいなくなると、部屋の中はしんと静まり返った。
沈黙を破ったのは、奏斗くんだった。
「じゃあ、俺とミヤは『いとこ』ってこと?」
私が叔父さんの子どもらしいから、確かに私と奏斗くんは、いとこらしい。
いとこ。
奏斗くんとの距離が近くなったみたいで嬉しい。
今日は金曜日だから、明日は土曜日。
学校はお休みだ。
時間の感覚が鈍い私でも、奏斗くんと一緒に住んでいると何となく生活のリズムが分かる。
「叔父さん…じゃない、お父さんが、奏斗くんのお家に泊まるなら連絡してって言ってたってことは、奏斗くんのお家に泊まってもいいってことだよね」
間違えて叔父さんって言っちゃいそう。
気をつけなきゃ。
「え…泊まり?」
奏斗くんは明らかに戸惑っている。
どうしてだろう。
これまでずっと一緒にお家で過ごしていたのに。