「じゃあ、俺がミヤの前でしか呼ばない、ミヤのあだ名は?」
奏斗くんは恥ずかしそう。
こんな問題簡単だ。
「ミヤたん、ミヤミヤ、ミャー子…あとね」
まだまだある私のあだ名を答えようとすると、「もういい」と止められてしまった。
「分かった。君はミヤだ」
やった!私もついに人間になれたんだ。
頑張れば奏斗くんと両思いになれるかもしれない。
わーい、と両手を振り上げようとしたときだった。
「だけど、人間になったら一緒には住めないよ」
ショックな一言だった。
せっかく人間になれたのに、人間になったら奏斗くんと一緒に住めない。
奏斗くんに撫でてもらうことも、一緒のベットで寝ることも…全部なくなってしまう。
思いもしなかった奏斗くんの言葉に、目の前が真っ暗になった。
ピンポーン
家のチャイムが鳴る。
奏斗くんは居留守をしようと息を潜めるけど、チャイムは鳴り止まない。
「おーい、ミヤそっちにいるんだろ?家にいなかったから、奏斗のところだと思って来たんだけど」
叔父さんの声だった。
私と奏斗くんは首をかしげる。
どういうことだろう。
とりあえず叔父さんと話をしないと、状況が分からない。