「名前と顔見たか?」
「見たよ?
花森うさぎちゃん。
ほんとに名前に合っててうさぎみたいで可愛かったよ!」
完全に見つけた。
俺が探している女だ。
こんな偶然はない。
大翔が会った女も、湊と蓮が言っていた女も間違いなく同一人物だ。
ここまでわかればもう一度湊に言って調べることができる。
「悪い、健太。
やっぱ大翔に用できたから授業出る。」
「え!?俺1人!?」
その後も何か言ってたが、優先は花森うさぎだ。
「あれ、お前サボりじゃねーの?」
「急用だ。」
急いで自分のクラスに戻って大翔の側へ行く。
運良く、その授業は自習だった。
「で?急用って?」
「花森うさぎを見つけた。
お前が会った女で間違いない。」
「なんでわかった?」
「健太がそいつの生徒手帳拾って、お前が言ってたことと一致している。
これから、直接会いに行こうと思う。」
大翔は何故か悪い笑みを浮かべていた。
まるで悪魔だ。
「なぁ、理王。
もっといい考えがある。
子兎は俺から必死に逃げている。
会ったら俺とデートすることになっているからな。
授業中に校長になりすまして呼び出す。」
どうやらそのデートは、花森うさぎを敵の族から守るためらしい。