数週間後に、湊と蓮から学食に可愛い子がいたと報告を受ける。






蓮はともかく、いつも冷静な湊まで可愛いというのは異常だ。






名前を聞いても、すぐに他の女達に囲まれて気づいたらいなくなってて聞けなかったらしい。






俺がその女を求めているのか、自分でも分からないが一度会ってみる価値はありそう。







「ちょっと理王聞いてよ〜。」






「お前サボり?」





「サボりはいつもの事でしょ。

じゃなくて聞いて欲しいことがあるの。」





ちょうど授業が始まった頃に、健太は飴を咥えて屋上へやってきた。





「さっき、隣のクラスが移動教室だったから噂の可愛い子見に行こうと思ってさ、廊下覗いたら会っちゃった!」






「へぇ、で好み?」







「ものすごく!

可愛いだけじゃなくて、俺の事知らなかったし落とした生徒手帳拾っただけなのに飴まで貰っちゃった♡

あれは、多分ファンクラブができてるかも。」





で、その飴を咥えてきたのか。
……俺の事知らない?





「俺の事知らないってもしかして黒龍をか?」







「だって、目が合ったのに普通にお礼言われて行っちゃったよ?

それは知らない反応じゃない?」