情報を得られたかと思ったけど結局振り出しに戻って新学期を迎えることになった。
「理王、また同じクラスだな!」
肩を組んで嬉しそうに言うのは大翔だ。
「3年間同じクラスって呪われてるよな。」
「おい、お前ひでーこと言うな!」
ガミガミ後ろで文句を言う大翔を無視して、学校内のたまり場屋上へと向かう。
考えることは皆同じで、幹部全員が揃っていた。
「ねぇ理王〜、俺ちゃんと入学できたよ。
でね、俺の隣のクラスにめっちゃ可愛い子がいるみたいだから今度見てくる!
もしかしたら、俺達の求めている子かもよ?」
子犬みたいに尻尾を振ってくるのは、俺を追って今年入学した健太。
「え?そんな可愛い子いるなら俺が見に行きたい。」
女たらしで有名な蓮。
取っかえ引っ変え女を連れ込んでいる。
「お前が行くとややこしくなるからやめろ。
あと、健太。可愛ければいいわけじゃない。」
「理王、ひどーいっ。」
「見るだけ見てくる。」
蓮は頬を膨らませて拗ね始めて、健太は本気で俺が求めている姫を探してくれている。
自分でもどんな女がいいのかとかわかっていないのに。