「んー、ヒットしないね。
ほんとに名前合ってる?」
「大家に聞いたんだ。間違いない。」
「じゃあ、もっと遠い地域からかもよ?
そうなると名前だけだとちょっと厳しい。」
アパートからたまり場に戻り、ハッキングが得意な湊に頼んだが駄目だった。
これだけ俺に手を煩わせてるんだ、会ったら弱味を見つけてコキ使ってやる。
それから、1ヶ月何も情報が得られなかった。
連絡もなく、アパートにも帰っている様子がなかった。
「なぁ、湊。今日面白い女に合ったんだけど調べてくれない?」
「大翔がそんな事言うなんて珍しいじゃん。」
「それだけ珍しい女だったよ。
名前は花森うさぎって言うんだけどさ、──」
俺は、黙って2人の会話を聞いていたけどあるワードが出てきてしまったら黙っていられない。
湊も前に調べさせたのを覚えているのか俺を見た。