ふぅ~ 良かったぁ~

相変わらず彼の眉は吊り上がっているけれど、納得はしてくれたみたい。


あとは長すぎる東条くんの足を隅に寄せてくれれば、脱出成功。

女嫌いの総長様の怒りを、鎮めることができるはず。



そう思って、ホッとしたはずだったのに……


あれ?



私の期待とは裏腹に、総長様の足は前に伸びたまま。

まるで通せんぼをされているかのよう。

道をふさがれ、私は通路にたどり着くことができない。



「あのっ……東条くん……」



お願いだから……その長すぎる足を……どうにかして欲しくて……



「七瀬のどか。オマエさ、、、」



ひゃっ!

フルネーム呼びされた?!



めちゃくちゃダルそうな声だったけど。



一応は知っててくれてたんだ。

クラス一目立たない、根暗でボッチな私のこと。