テンパりすぎて、眼球グルグルの私。
思考が追いつかなくて、脳内がグチャグチャ状態に。
こっこれは、壁ドンなんかじゃないよ絶対に。
東条くんは怒っているみたいだし、きっとあれだ。
『俺を怒らせたオマエを、今すぐシバく!』的な。
うん、それそれ。
でも……
それはそれで、総長様から怒りの鉄槌を下されそうで怖いのですが……
逃げたくても、逃げ場なんかない。
私の後ろはバスの窓。
私の両脇腹には、東条くんのたくましい腕が食い込んでいる。
そして目の前も無理。
頬を赤く染めた、東条くんの横顔があるし……
って……
ん?
なぜ、東条くんの顔が真っ赤なの?
耳まで赤くなっているような。
恥ずかしそうに、視線を斜め下に逸らしている理由もわからないし。