テレビで流れ続けるライブ映像を目に留めて、私は「チャンネルを変えて」とスマホに言った。

 これから、私の運命のひとに会うんだもの。

 他の男子なんて、見てちゃいけないよね。




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 パッと、表示が10:00に切り替わるのを見届けた瞬間、ピンポーンとチャイムが鳴る。

 私はソファーから立ち上がって、バクバクする胸を押さえながら、玄関に小走りで向かった。


 パートナーと会う場所は任意で、カフェとか、公園とか、学校とかが多いって聞く。

 でも、今回はパートナーの方が私の家まで来てくれることになった。

 きっと、紳士的なひとなんだろう。



 …この扉を開けた先に、私の運命のひとがいる。

 私は、すー、はー、と深呼吸をしてから、ドアノブをガチャッと押した。




「はいっ」