結局お姉ちゃんは行くとは言わなかった。



私は早めに家を出る。



自転車を置きお弁当を持って体育館に向かう。



30分前なのにコートではもう練習をしていた。



それに応援の女の子が凄い。



他校の子もいる。



女の子が見てる先には遠矢がいた。



遠矢がドリブルする姿。



シュートする姿本当に見とれてしまう。



その中に宗もいた。



つい目が宗に行ってしまう。



ダメダメ私は遠矢の応援に来たんだから。



遠矢が私を見て手を振る。


私もそれに答えて手を上げた。



女の子たちが一斉に私を見る。



思わず俯いてしまう私。



すると遠矢が私のすぐそばまで来た。



『桃来てくれたんだ。ありがとう。桃の為に俺頑張るからさ、見ててな。』



「遠矢お弁当作って来たから、後で一緒に食べようね。」



『お、サンキュー!』



私を軽く抱き締めて、遠矢が首に巻いていたタオルを私の首に掛けた。



『俺の汗の匂い。』遠矢はそう行ってコートに戻って行った。