『まずその加納君って呼ぶの止めてくれるかな?


俺は桃って呼ぶから、桃も俺の事、遠矢って呼んでほしい。』



私が頷くと、『桃の事は中学から知っていた。


真野姉妹って美人で有名だったから、


俺も気になって見てたんだ。


そしたらいつも桃を見ている俺がいて。


気付いた時は桃の事好きになってた。


だけど桃は宗先輩しか見てなくて辛かったから、必死になってバスケ頑張った。

高校に入ってからもバスケばかりしてたよ。


桃の事忘れたかなって思った時、


桃が毎日部活を見にくるようになったんだよ。


でもそれは宗先輩を見る為。


それでも俺は嬉しかった。


それからすぐに桃と宗先輩が別れた事を聞いた時、


俺はもう我慢出来なくて、桃にどうしても会いたくなった。


桃と宗先輩がどうして別れたのかは知らないけど、


桃の寂しい顔見るのが俺辛くてさ。


桃俺じゃ駄目かな?


桃のそばにずっといたい。

たとえ桃が宗先輩を忘れられなくてもいいからさ。』



私の瞳から涙がごぼれた。