車の中で待っていた海音さんが、車を下りて助手席のドアを開けてくれる。



『桃ちゃんが綺麗で見とれちゃったよ。』



「お兄ちゃん桃好きだからって、妹の前で口説かないでよね。」



『智美いきなりそんな事言うなよ。桃ちゃん困ってるよ。』



智美が何かぶつぶつ言ってる。



海音さんが私も好き?



だって海音さんは20才で大人。



イケメンだし彼女いるに決まってる。



からかっているだけだよね。



私はこの事に触れないでおいた。



駅前のカラオケレインボーに着いた。



『あまり遅くなるなよ。迎えに来るから連絡しろよな。』



下りようとしたら、『桃ちゃんさっき智美が言った事は本当だからね。


又ゆっくり二人で会いたい。これ俺のアドレス。』



海音さんに無理矢理アドレスの書いた紙を渡された。


どうしょう。



何か言わなきゃ、って思うのに言えなくて、



『桃ちゃんの事智美から聞いてる。それでも俺桃ちゃんが好きなんだ。』



どうして?いきなり好きなんて言わないで!



私の何を知ってるの!