「どの道、必要だったことだ。お前が特に気にすることはない……魂に関する魔法を使える者がいない以上、これ以上その魂のことを考えるのは得策ではないだろう。俺達は、あのシャザームの研究について、調べていくべきだ」
「はい、そうですね……」

 私は、ディゾール様の言葉にゆっくりと頷いた。
 私達が、今アルフィアの魂をどうにかできる訳ではない。彼の言う通り、私達にできることをするべきだ。
 という訳で、私は周囲を見てみる。まず調べるべきは、色々と資料がありそうな本棚だろうか。

「えっと……」

 とりあえず、私は本棚の中から一冊のノートを取り出した。それは、シャザーム自身が記したもののように思える。

「ファルーシャ、シャザームは色々と記録を取っていたの?」
「あ、はい……色々と記録していたと思います。結構、そういう所はマメな性格だったのかもしれませんね……」
「なるほどね……」

 私は、シャザームが記したノートを捲ってみた。すると、そこには彼女の実験に関する記録のようなものが記されている。