しばらくして、さっきまで荒かったヒヨの息遣いが落ち着いてきた。
よかった…この体勢、逆にしんどくないかな? って思ってたから。
「…ヒヨ、楽になった?」
「ん、だいぶ」
ほっと息をつく。
ヒヨが辛いのって見たくないもんね。
あたしから離れて顔をあげたヒヨ。
うん…顔色も、さっきよりだいぶマシだね。
よかった。
順調に回復してるみたい。
「そうだ、ヒヨ」
渡すなら今かなって思って、名前呼んだ。
ヒヨは「ん?」と眉毛を持ち上げてあたしを見る。
「今日なんの日か知ってる?」
「今日?」
んー、と少し悩んで。
「2月14日……」とひとりで呟いたあと、思い出したように顔を上げる。