──ピンポーン
808、城田。
部屋番号の下のインターホンを押して、数秒。
ガチャッとドアが開いて出てきたのは、相変わらず優しい顔のヒヨママ。
「あら、羽依ちゃん!」
「お見舞いにきました」
「ありがとう! さ、あがってあがって」
家の中に入れてもらって、「日依は部屋で寝てるから」と教えられたから、ヒヨの部屋へ一直線。
ヒヨ、熱って言ってたけど…。
何度くらい出たんだろう。
きっとスマホ見るのもしんどいだろうなと思ったからメール送ってない。
ムリさせすぎないように、チョコ渡したらすぐ帰ろうっと。