…原田さん、やっぱり好きじゃないかも。
中を盗み見ると、ヒヨに腕をくっつけて話しかける原田さんの姿。
距離感、どうなってるのあれ…。
見たくないはずなのに、目が離せない。
今すぐ割って入りたいけど、そんな勇気…ない。
心臓、バクバク。
大丈夫。
ヒヨってさ、原田さんのこと迷惑だって言ってたし。
…でも、一緒に遊んだんだよね。
って、あたしの中の天使と悪魔が両方から語り掛けてくる。
「羽依…」
小声の葵。
うん、心配してくれてるんだよね。
どっちにしろ図書室は使えないし。
ここにいる意味もないんだけど…もうすこし、見させて。