勉強開始から一時間。
そろそろ疲れてきた。
あたしじゃなくて、葵が。
だってあたし、ほぼなんもしてないからね。
いいよ、最悪一夜漬け。
英語なんてちょろい。
数学さえ勉強すればね。
「甘いものたべたーい」
「帰り、カフェ寄ってく?」
「行く」
一瞬で気分上昇。
ちょっとテンション高いよ、今のあたし。
「ね、葵」
「ん?」
「気分転換に、場所変えない?」
ずっと同じ景色、飽きて来たしね。
「…いいけど、どこ行くの?」
うーん。
まぁ、勉強すると言ったらあそこだよね。
「図書室行こ」
葵の返事も聞かずに荷物まとめて立ち上がった。
どうせあと一時間で施錠されちゃうし。
学生なんだから、学校の施設は有効活用しなきゃね。