「悪い、遅れた」
そういってあたしと琴音しかいない教室に入ってきたのは育吹。
ていうことは、もうすぐ葵も来るかな…。
…って、やっぱり予想通り。
育吹の後方。教室のドアのところに、葵の姿。
「羽依ちゃん、またね」
「うん、ばいばい」
琴音と育吹に手をふりふり。
それと入れ替わるようにして葵が教室に入ってくる。
あたしの隣の席に座って、机をくっつけた。
「遅かったね」
何気なく聞いたら。
葵は、バツが悪そうに眉を下げる。
「あぁ……うん、ちょっとね」
「告白?」
「……」
図星。
そんな目してる。
葵、わかりやすい。
お友達四年目だからね。