デート?
いつの間に?
…ヒヨ、何も言ってくれなかった。
隠したかったの?
それとも、言う機会がなかっただけ?
…信じたいのに、心の暗い部分が邪魔をする。
そもそもただの幼馴染なんだから、信じるも何も無いんだけどさ。
原田さんの手にはプリクラが握られてる。
話の流れからして、ヒヨと撮ったやつなんだろうけど……。
心臓が嫌な音を立てて冷や汗が溢れ出てくる。
「あんなの気にするほうが無駄だって」
「うん…」
琴音が原田さんの方を見て目を細めてる。
そう、だよね。
分かってるんだけど。
…でも、そっか。
この前、好きな奴としか遊ばないって言ってたのに…。
やっぱり、原田さんに好かれて満更でもないんだ。
かわいい、もんね。