「…………とりあえず病室戻りますよ
 少し失礼します」

そして私の体は宙に浮いた




………本当に私の体………弱いな…………



ただ………雄斗を探したかっただけなのに………



そんなことを考えていると病室に着いてしまった


しかも私をベッドに降ろすなり、どこかへ消えたと思ったら何かの器具を持ってきた


何をするかと思えば、適当に抜いた点滴の止血と再び点滴を刺された


それも終わると近くにあった椅子に山中先生は腰掛けた

「…………それで君は何をしてたんですか?
 まさか脱走しようとはしてませんよね?」

「……………………………」

「君が脱走しようとしたならば、僕達は君の監視を強めなければいけません
 しかも、点滴まで抜いて」

「……………雄斗…………探しに………」

「下山さんですか?
 下山さんなら先程………君、スマホ見てないんですか?」

「スマホですか…?」

「…………見てないんですね
 下山さんなら先程、お父様と一緒に君のご実家へ行かれました
 君のスマホにも連絡を入れておいたと言ってましたが…………見てないなら意味なかったですね」

「…………………勝手にいなくなった雄斗が悪いと思います」

「いくら下山さんでも、君がここまでするとは思ってないでしょう
 点滴まで刺しているんだからなおさら」

「………………………」

「……………一応君が起きるのを待っていたみたいですよ
 でも、なかなか起きなかったから………」

「…………そうですか」