〜香音目線〜



「…………………っ」

次に目を覚ますと、窓の外は暗くなっていた

寝ている間に処置室から病室に変わったようだ

しかも口元にあった酸素マスクもなくなっていた


嬉しい…!

………………って、あれ……?

雄斗は………?


「…雄斗………?」

辺りを見まわしてもいない

どこ行ったの……

まさか……帰っちゃったの……?


帰らないって言ったじゃん………


そして私はベットから降りた


うぅ…………あまり足に力が入らない…………


腕に付いてあった点滴を適当に取り廊下に出た


いつもより体が重い………なんでこんなに重いの………

「……ハァハァハァハァ………」

少ししか歩いてないのに………疲れた………

そして少し気を抜いた瞬間、足から崩れ落ちた


なんで………なんでよ…………

「………香音さん…?」

ふと後ろから名前を呼ばれた

この声は………

「山中…先生………」

「やはり香音さんでしたか………
 大丈夫ですか?
 立てますか?」

「………………………」

「全く君は………僕がここを通らなかったらどうするつもりだったんですか?
 今にも泣きそうな顔して………」

「ごめんなさい…………」