「……………………」

「香音は？」

「…………私の好きは雄斗に迷惑かける……」

「どうして？」

「……………雄斗の人生、私がめちゃくちゃにしてる
　私の好きで……雄斗を振り回して、縛り続けた」

「そんなことないよ
　それを言うなら俺の好きでお前を縛っていた
　お前の青春…………奪ったのは俺だ
　恋愛だけじゃなく………運動まで制限かけた
　本当は部活とかもっと伸び伸びとやりたかったはずなのに」

「それくらい私のに比べたら可愛いものでしょ
　仮にそうだとしても……短い期間だし
　私が縛り続けたのは、雄斗と出会ってからずっとだよ
　雄斗を縛り続けてるのに、私は他の人と………付き合ってた時期もあるんだよ…………」

「そんなのお前のせいじゃない
　ただ、お前以上に良い人に出会えなかっただけだ
　出会えていれば俺だって付き合っていたと思う
　だから、お前の選択は間違っていない」

「………………優しすぎるよ……」

「俺のこと嫌い？」

「…………嫌いな訳ないじゃん………」

「ふふっ
　まぁ、今はそれでも良いよ
　そのうち好きって言わせるから」