「……………雄斗はさ、何で私と結婚したいの?」

「そりゃあ、お前のことが好きだから」

「何で好きになったの?」

「急にどうしたー?
 凄い質問してくるな」

「…………気になったんだもん
 答えたくなかったら別にいいけど」

「いや、答えるけどさ
 答えにくい質問してくるなー」

「別に無理しなくていいよ」

「無理してでも答えるよ
 お前の信頼を勝ち取らないとだから
 んー……なんて言うんだろ?
 最初はお前のことが全然分からなかった
 どう見ても辛いはずなのに辛いって言わないし、倒れるまで頑張るし
 どう考えてもそこまで頑張る必要ないだろって」

「………うん」

「んで、普段は俺のこと避けるのに保健室にいる間だけは頼ってくれて
 まぁ複雑だけど嬉しかったな
 少しでも頼ってくれるのは」

「そっか……」

「少しずつ話してくれるようになってさ、香音の過去とか気持ち聞いてたら…………なんか悲しくなった
 この子は誰にも頼らず、一人でどうにかしようとしてきたんだなって思って………今までの行動、全てに納得できて
 その時に思ったんだ
 この子を守りたい、もうこれ以上一人で頑張らせたくないって
 もうそこまで思ったら好きになっちゃうよ
 好きになっちゃいけない人だとしても」