「それは……言ったらダメなやつかな
 香音のお母さん、頑張ってお前のこと産んだんだから
 それはもう言ったらダメ」

「…………雄斗ってやっぱり先生だよね
 なんか、いつも大切なこと言われてる気がする」

「そりゃあ、教師やってるからなー
 それにお前には色々と教えなきゃじゃん?
 生きる楽しさとか幸せとか」

「えー、それは別にいいかなー
 雄斗いるから今幸せだし」

そう言って香音は俺の胸に顔を埋めた

はぁ………本当に可愛いんだから………

「お前が生きる意味を見失っても、何回でも俺が教えてやるから
 お前は俺のために生きろ
 これは絶対だからな」

「んー………覚えてたらね
 どうせすぐ忘れるけど」

「お前なぁ……」

「いいの!
 雄斗の腕の中にいれるの凄い嬉しいから……
 多分、この嬉しさは忘れないと思う………多分だけどね」

「そこは絶対忘れない!って言えよー」

「無理ー!
 世の中、絶対はないもん」

「ネガティブだなー」

「今日はネガティブなのー」

「いつもだけどな」

「……………………」

「……ネガティブな香音ちゃん、抱っこはいつまでしますか?」

「えー…………」

「いやー、お前心配になるくらいめちゃくちゃ軽いんだけど………ちょっと右腕が……
 まだ前みたいな調子戻ってなくて、すぐ疲れちゃうんだよ
 さすがにお前を落とすわけにはいかないからさ」

「落としていいよ……」

「落とさないから!!
 本当に悪いけど、降ろしていい?」

「………今日側離れないなら良いよ」

「ん、離れないよ
 ごめんな」

そして香音をベッドに降ろした