ホテルに着いてからは部屋でゆっくり過ごした



「…………雄斗」

「ん?」

「めちゃくちゃ困ってます」

「何に?」

「………………今猛烈にタバコを吸いたいです」

「ダメです」

「何でですか!?」

「何でじゃない
 困ってるって言うから何かと思えば…………」

「私にとっては凄い重要な問題です」

「はぁ……………
 とりあえずダメな物はダメ
 これでも舐めてろ」

そうして棒付きのキャンディを渡した

「…………ひどい」

「お前のためだ
 また入院になるぞ」

「………………………」

香音は気に食わない様子だったがキャンディを舐め始めた


「………………いつから吸い始めたの?」

「………20歳になってから同じサークルの先輩とご飯行く機会があって
 その先輩がカッコよくて見惚れてたら勧められた」

「俺以外に見惚れるバーカ」

「バカじゃないもん!
 女の先輩だし」

「あっそ
 てか、勧められても断れよ」

「だってー、本当にその先輩カッコよかったの!!
 普段から良く私達の面倒見てくれたりしてて優しかったし、夜空をバックにタバコを吸う女性ってエモいじゃん!?」