「……………………言いたいことは言えた?」

「っ………………うん」

「ごめんな
 あえて挑発させるためにキツイ言い方した」

「……………ごめん」

「いや、良いよ
 てか狙い通りだから」

「………………………」

「香音は普通だよ
 それに、生き方を変えろとは言ってないから
 ちょっと自己犠牲をどうにかして欲しいな〜って思ってるだけ
 でもそれが、お前にとって難しいことは今凄く伝わったから」

「雄斗…………」

「その……軽蔑とかの話、小学生の時?」

「……………ぅん」

「中学の時は?」

「……………………あった」

「……………そっか
 気づいてやれなくてごめんな」

「いや………雄斗が異動した後の話だから………
 気づかなくて当然
 雄斗がいた時はなかったし……」

「それでも、お前が傷ついてるの気づかなかったから
 本当にごめん」

「雄斗は謝らないでよ
 それに………中学の時はあまりなかったから
 体育祭の練習の時とかに少し哀れみの目を向けられただけ
 体育の先生以外は普段の体育を知らないから
 まぁ、関口先生とか安倍先生が守ってくれたけどね」

「香音…………」