「……仕方ないじゃん」

「何が仕方ないんだよ」

「じゃあどうすればいいの!?
 出来ないことがある度に無理です、出来ませんって言うの?
 そんなの無理に決まってるじゃん!」

「そうとは言ってない」

「もう無理なの!!
 物心ついた時にはすでに左目奪われて……行きたくもない病院にも連れてかれて
 挙げ句の果てに手術なんて、どんだけ私の身体傷つければ気が済むのって感じで
 それをさ、無理しないで乗り越えようなんて無理なの!
 一人で頑張るしかなかったの!!
 目の事だって、みんながみんな理解してくれるわけじゃない
 私だって最初は違った!
 難しいって思ったら先生に相談した
 でもある人はこんなのも出来ないの?って軽蔑の目で見られて、また別の人は可哀想って哀れみの目で
 そんなことされたら意地でも頑張るしかなくなるじゃん!!
 無理なんて言えないの!!
 この気持ち雄斗に分かるわけないじゃん!!!」

「…………………………」

「急に生き方なんて変えれない
 頑張れば……私も普通の人と一緒の目で見てくれる
 軽蔑とか哀れみとかない………
 普通の人でいれる気がしたの
 気分だけでも普通で在りたかった」