「…………この状況、どうにか出来ると思うか?」

「…………香音の中で踏ん切りがつけばな
 でもまぁ………難しいだろうな
 もう……ずっと抱え込んできたから
 やっと心療内科行けるようになったけど…………」

「カウンセリングは受けてるんだな?」

「まぁ………
 あまりその事は知らないけど
 カウンセリングの後はだいたい辛そうな顔してる」

「そうか………………
 香音さんの所にはもう挨拶行ったのか?」

「明後日行く
 その時に少しでも話してくれるといおんだけど………」

「そうだな…………
 もう少し考えてみる
 香音さんの気持ちも無視はしないから
 また連絡する」

「あぁ」

「じゃあ戻るか
 この話は内緒な」

そしてリビングへ戻った











「……香音?」

リビングへ戻るとテレビの前で呆然と立ち尽くしている香音がいた

「香音どうした?
 何かあった?」

「………………………」

「おーい、香音さーん?」

「……ゅ……と…………」

顔を覗き込むと一気に目から涙が溢れた

「えっ、ちょっ………どうした?」

「ゅぅ……と………」

そして抱きついてきた

何度も俺の名前を呼びながら








しばらく泣き止むことはなかった



親父も気を遣ってか、気づいたらいなくなっていた