「………………緊張するね」

「大丈夫だ
 親父は今更何も言ってこねぇよ」

「そうだと………いいな」

「出来れば俺が休みの間に行っちゃいたいけど……お父さんと水無瀬さんの予定聞いといてもらえる?」

「………反対されると思うよ」

「あ、それならもう大丈夫だと思う」

「なんで?」

「実はな………少し前に言われたんだ
 腕治したら香音との結婚認めてくれるって
 手術の日を急に早めたのもそれがあったからなんだ」

「雄斗………」

「ほら、ちゃんと腕治ったじゃん?
 これで香音のことも守れる
 心配しなくても大丈夫だから」

「………そんな大事なこと早く言ってよ
 仕事は良かったの?
 みんなが大変な時に…………私のせいじゃん………」

「香音のせいじゃない
 ただ俺が早くお前と結婚したかっただけ
 あいつらなら俺がいなくてもちゃんとやる奴らだ
 それはお前も知ってるだろ?」

「それは………そうだけど………」

「だからいいの!
 それにこれは俺の人生だし
 何を優先させるかは俺に決める権利あるでしょ」