〜香音目線〜



「………………っ」

目を覚ますと私はベッドにいた

雄斗も隣で本を読んでいた

「…雄斗………」

「あ、起きた?
 気分はどう?」

「……………ぅん」

「うんって悪くはない?」

「…………うん」

「そっか
 それなら良いんだ」

「…………………うん」

「さっきからうんしか言わないじゃん」

「…………うん」

「ふふっ、可愛い
 キスしていい?」

「……………………」

「ハハっ、そこは言ってくれないんだ
 まぁいいよ、しないからそんな身構えるな」

「……………………………」

「……………………香音………結婚しよ…?」

「っ………」

「そんなに驚く?
 お前、俺の気持ち知ってるだろ」

「…………………何で………」

「何でって…………香音のことが好きだから
 誰にも取られたくないし、ずっと側にいたい
 ダメ?」

「…………………」

私はとりあえず起き上がった

大事な話だと気づいたから

雄斗もさりげなく手で支えてくれる

「……………やだって言ったら……?」

「………気長に待つよ
 お前の気持ちが前向きになるまで」

「………………じゃあどうして………今言ったの……?」

「………不安だった
 お前………何かで繋ぎ止めないと………消えちゃいそうだから……………」

そう言って見つめてくる瞳は……とても辛そうだった