「………良かったら君はここに来ないですよ」

「………確かにそうですね」

「…………僕は君を失いたくないので
 リスクは負いたくないです」

「……分かりました」

「また今度行きましょう」

「はい…………」

そんな話をしているとあっという間に診察室に着いた

「あの…………急に来て………ごめんなさい…………」

「いいんですよ
 君が来たい時にいつでも来てください
 今日みたいに待たせてしまうかもしれませんが………」

「山中先生…………」

「後藤先生と話して少しでも良くなりましたか?」

「…………分からない」

「そう………ですか………
 というか………その手首は………」

「えっ……あ……………」

「切ったんですか……?」

「ちがっ……!
 今日は切ってない………なのに……どうして………」

「………君が無意識に触ってしまっていたんでしょう
 とりあえず消毒しますよ」

「いや…!」

「……服汚れてしまいますよ」

「……………嫌なの……」

「……………分かりました
 何もしません」