「………優しいね」

「…………はい」

「行こっか」


こうして山中先生の診察室へ向かった


























「ア゛ァァァ!」

もう少しで着くというところで誰かの叫び声が聞こえた

「ハァハァハァ………ハァハァ……」

「香音ちゃん、びっくりしたねー
 大丈夫だからねー」

そう言って背中をさすってくれたけど…………

ずっと声は聞こえて………それがさらに不安になる

「先に移動しちゃおうか
 ちょっとごめんねー」


そして私の体は宙に浮いた









すぐに診察室の中にはいり、ベッドの上におろされた

「もう大丈夫だからねー
 びっくりしちゃったよねー」

「………ぅん」

「呼吸は落ち着いたかな
 良かった!
 疲れちゃったよね
 ちょっと寝る?」

「………いい
 多分………寝れない……ので………」

「そっか
 じゃあ俺とお話ししてよ!
 何か最近楽しかったことあるー?」

「…………ない……です………」

「そうなんだ
 まぁそういう時もあるよね!」

「……………………」

「…………何か俺に聞きたいことある?」

「えっ…………」

「そんな顔してたから
 気のせいだったらごめんね」