〜香音目線〜

はぁ…………雄斗に余計なこと言っちゃったな……


死にたい……今強く思うのはそれ

少しずつその気持ちは薄れていた気がしたけど………気のせいだったのかな………

結局………何年経っても…変わらないまま……


一個の選択で………こんなにも変わるんだ………


たった一個………高校を……県内のところにしておけば………

私のせいで………

「香音、お待たせ!」

そんなことを考えていると雄斗が戻ってきた

「帰ろっか
 落ち着いたらでいいから橋村に連絡してやって
 心配してた」

「うん…………荷物…………」

「いいよ、俺が持つから」

「でも………」

「大丈夫だから
 せっかく腕も治ったし、リハビリもかねて
 その代わり香音は俺と手を繋ぐこと!」

そして手を引かれ立ち上がった

「………家でゆっくり話そうか」

「………………話したくない」

「山中先生とかなら話せる……?」

「……………………」

「………香音さ、今死に対する思いだいぶ強いでしょ
 今まで見てきた中でも……一番………
 俺はお前に消えてほしくないから………誰でもいいから話して………
 出来ればそれが俺であって欲しいけど………今求めてるのは俺じゃないんだよな」

「……ごめん………」

「謝らなくて良いから
 病院行こうか」


そして雄斗に手を引かれながら歩いた