「…………分かんない」

「んー………やっぱり俺行ったらダメ?」

「やだ…………」

「そっか
 何が怖い?
 みんなに会うのが?」

「……………全部」

「全部かー
 香音はさ………みんなに会いとは思わない?
 少しでも……そういう気持ちはある?」

「…………………みんなに会いたいとは思うよ」

「ならおいで
 嫌になったら帰ればいいし、次の集まりにも行かなければいい
 今回だけ少し顔出してみよ?」

「………………………」

「そんなに嫌……?」

「…………やっぱり………そこで待っててくれる……?
 一人じゃ………入りづらい…………」

「ん、分かった
 橋村と一緒に待ってる
 ゆっくりでいいからおいで」

「うん………ありがとう」

そして電話を切った

少し強引すぎたかな………

まぁ来てくれるって言ったし………本当に嫌ではなさそう

「橋村ー」

「香音どうですか?」

「来てくれるみたいだけど…………ちょっとな……
 橋村もここで香音が来るの待っててもらえるか?」

「全然良いですよ!
 香音が来てくれるなら………」

「…………香音の苗字のことさ、知ってるの橋村だけか?」

「多分
 みんな大学別々だし……私も誰にも言ってないので」

「そうか…………
 ………みんなの前ではさ……水無瀬香音じゃなくて、岩本香音でいさせてあげて………今日もこれからも」